>小型艦アイコン製作講座No.1

1、資料
アイコンを作る上で最も重要なのが実は資料集めだったりします。
まず作成する艦の右向きの側面図と写真(複数あったほうが良い)を用意します。
図面はネットで手に入るもの、書籍に載っているものなどいろいろあります。書籍に載っている図面は比較的正確なものが多いです。
しかし、ネットで探すとたまにとんでもない図面が出てくるので、写真を参考にしながら正確で見やすい図面を選ばなければなりません。
今回はネットで見つけてきた下の図面を使います。出展はこちらです。


それから、艦の全長を調べて決定します。「水線長」ではなく「全長」です。これを間違えるとあとで寸法が合わなくて痛い目に合います(笑
こちらも物によって記載されてる数字が微妙に違ったりするので、なるべく複数の資料を当たってください。
今回は@手元にあった書籍、A某ゲームの兵器紹介冊子、B図面を頂いてきたページ、Cネット上の他のページ を参照しましたが、
@は123メートル、Aは123.2メートル、Bは113.9メートル、Cは123.40メートル でした。あらまぁなんてこと!
全ての資料の数字が異なっていました(爆 特にBなんて他と比べて10メートルも差がありますよ!!をいをい(笑
とまぁ、資料が一つだけでは間違った寸法で書いてしまう可能性も有りうるので、なるべく複数の資料を比較検討して全長を決定してください。
ここでは切りのいい123メートルでこの先の工程を進めていくことにします。


2、下書き
※ここでは天翔さんの「天翔艦隊」で紹介されている艦影画像作成法を参考にしています。

まず下書きをするために図面をプリントアウトします。プリントアウトする大きさは大体横15〜20cm程度で良いです。
書籍などに載っている図面ならば特に何もせずそのまま使えば問題なしです。
航空機などはプリントアウトせずに図面をそのまま縮小して下書きに使ったりするようですが、艦船の場合はおそらく無理です。
この図面を完成時の縮尺と同じ123ピクセルに縮小したら構造物の形状なんかわからなくなってしまいます(爆


次にWindows標準のペイントを使い、[変形]→[キャンバスの色とサイズ]で幅と高さを設定します。
今回作る艦は全長123メートルで、1m=1ドットの規格で作成するので、幅は123ピクセル。もし端数がある場合は四捨五入してください。
高さはテキトーでいいです。小型艦なら40ピクセルもあれば多分足ります。今回はテキトーに50ピクセルくらいにしました。


ここからは定規と電卓が必要になります。15cm〜20cm程度の定規を用意してください。電卓はWindowsの電卓でも携帯電話の電卓でも何でも良いです。
定規で「図面の全長」を計ります。ここでは202mmでした。この数字で先ほど設定した123ピクセルを割ります。
123pixel÷202mm=0.60891・・・≒0.61 この0.61という数字をこの先ずっと使うのでどこかにメモしてください。


計算が終わったら下書きを書きはじめます。まず定規で図面の水線から甲板までの高さを定規で測って、その数字に先ほどの0.61をかけます。
すると、図面での長さが何ピクセルに相当するのかがわかります。長さはmm単位で計ってください。


前部甲板:9.5mm×0.61=5.795  →四捨五入→6
後部甲板:2.4mm×0.61=2.44   →切り上げ3


数値が出たらその分だけ黒く塗りつぶします。ペイントの画面は8倍くらいに拡大表示してからグリッド表示したほうがやり易いと思います。
端数は基本的には四捨五入してください。今回、後部甲板の高さは四捨五入すると2ピクセルですが、2ピクセルでは少々低くなってしまうので
四捨五入せずに切り上げて3ピクセルにします。このように四捨五入では見た目がおかしくなってしまう場合は、四捨五入ではなく切り上げや
切捨てをしてそれっぽく見えるように調整してください。

前部甲板の高さ6ピクセルと後部甲板の高さ3ピクセルを塗りつぶしたところです。(拡大表示を使用)
この艦の場合は艦首に微妙なシア(傾斜)があるので、それも大まかに表現しておきます。なお、上に書いてある変な線は長さを計るためのものです。
10ピクセルごとに高さを1ドットずらしています。ここでは艦首の甲板が高くなっている部分を計るために使っています。




あとはひたすら図面を定規で計って0.61をかける方法で構造物を構築していきます。
私の場合は砲塔とその周辺→艦橋→煙突→マストといった順番で作っていきます。
この艦のように煙突に微妙な傾斜があるものはとりあえず高さと幅だけ合わせて大まかに表現しておきます。
黒で塗ると輪郭線がわからなくなってしまうような部分は上図のように色を変えて塗ります。
特に本艦のように平甲板でない艦では、甲板の輪郭線が分かるようにしておきます。
砲塔は多分計っただけではしっくり来る形にならないと思うので、そこらへんは原寸大表示してみながら修正します。
図では砲身の長さや砲塔の形が微妙に違っていますが、あとで色をつけるときに揃えます。

また、マストが出来て高さが確定した時点で、キャンバスのサイズを変更し、余白を作ります。
上と左右は1ドットずつ余白ができるように大きさを変更します。下のは水線を書くスペースも含むので2ドットの余白を作ります。
今回は艦首の形状がクリッパーバウではないので、水線を表現する為に右側の余白も2ドットに設定しました。




最後に、長さを計る線を消してとりあえず下書きは完成です。細かい点は塗装のときに修正します。

とりあえず下書き完成


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